契約

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「私が見えぬのですか。これだけの輝きを持ちながら信仰心が足らぬと」 「ここいらの仏さん?邪魔しないでくれ」  ハウエルは理解する迄少しかかった。 「ホトケ、ブッディストが死者を指す言葉だったか。成程ブッディストの聖者か。貴方達が理解不能な苦行をする事は承知だ。ですが流石にそれは命を落とす。おやめなさい。そして私はホトケではなく悪魔です」  思わぬ返事に男は目をしばたいた。幽霊どころかもっとおかしなものが現れたのだ。そう思うと男はくしゃりと笑い始めた。 「悪魔と来たもんだ!人間世界が死を選ばせるってのに悪魔が止めに来たって?血があったかいのはどっちなんだろうねぇ、アハハハ! 」  恐れられる所かまさかの爆笑にハウエルは戸惑うばかりだった。ブッディズムの悪魔は楽しい輩なのだろうか。 「止めないでくれ。悪魔が人助けしてどうする」  この人物は何もわかっていない。ハウエルは眉を寄せた、 「悪魔ってのは人助けするものなんです。対価は頂きますがね」 「なら困っている人の所へ行ってくれ。私は違う」 「そうは見えません」 「死後に何が困るって言うんだ」
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