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そしてこのハウエルはたった百年弱でこの数を、しかもかなり高潔な魂ばかりを集めて来たのだ。
悪魔の契約は大抵魂が手に入るのはその人間の死後だ。彼らの寿命を考えると百年では良くて二つがせいぜい。なのにこの数を集めたのは同時に複数の人間と契約し、かつ内容がお互いの契約を侵害しないものだったと言う事だ。実に有能ではないか。かつてこれ程器用に立ち回った悪魔をサタンは数える程しか知らない。
地獄の王としては彼の功績を称え相応の位と領地、望むならば部下を用意してやらなくてはならぬ程だ。
「話すが良い。なぜ渡せぬのか」
言い出す前に見抜かれた。一度びくりと身を震わせたハウエルだが、相手の視線をしっかり受け止めたまま静かに口を開きそれを語り始めた。
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