4人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 俺、転生
俺、何でか異世界に転生。
そこはファンタジーの世界で、魔物がいたり、魔法が使えたりする世界のようだ。
ごっつい機械に囲まれてはっとした俺は、すぐに現状を把握した。
でも、冒険とかモンスターエンカウント要素とかは、まったく関係ない。
だって俺、マッドサイエンティストだから。外あんま出ないし。
その世界で20歳くらいまで生きてた俺は、なぜか唐突に仕事場で、前世の記憶を思い出した。
普通に歩いてて、仕事の過労でぶっ倒れて床で頭を打ったのだが。
その時のショックで何か前世の記憶みたいなのを思い出したらしい。
頭にでっかい、たんこぶができてた。
ジェル状のシートで患部を冷やしながら、実験室っぽい中で椅子に座って思考。
ちなみに他の人はいないので、俺の様子にいぶかしむ奴もいない。
俺は前世では高校生だったが、こっちでは普通の成人男性だった。
名前は、キルト。
キルト=クラック・ショート・バイタルン。
長いし、ファンタジー。
でそんなキルトさんは、ある闇組織の研究所に勤めている。
立場は研究助手だ。
助手というからには、俺の上には偉い人がいる。
イマだかエマだか知らんけど、そんな名前の凄腕男性マッドサイエンティストさんが。
イマ先生は、とにかく冷血漢で、これぞまさに悪の組織の研究員といった性格。
非情な実験を行っても顔色一つかえやしない。
で、俺がそんな先生の助手をしているのは、特別な理由があっての事じゃない。
ただ、自分の能力が活かせそうだったから。
才能があったから。
それだけの事だ。
そんだけの理由で悪の秘密組織に入るなよ。
って話だけどな。
ははは、恨むぞ。
前世の俺は普通の一般人で、高校生だったのに。
なんでよりによってそんな犯罪組織に勤めているんだ今世の俺。
ボロが出てて、殺されたりしないよね?
幸い、知能とか知識とかは今世の俺仕様だし、記憶もすっぽぬけていないので当面は大丈夫そうだが。
最初のコメントを投稿しよう!