初恋みたいに恋しよう

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「ここ都内から結構遠いのに、わざわざ来てくれて、いつもありがとね」 朝一の予約だから、かなり早い時間に出発したんだろうし。 「いいのよ。 私にとってはこの1時間半のドライブが、良い気分転換になるし。 私はもう瑛斗君のカットじゃなきゃ満足出来ない女になっちゃったからね」 「おっ、嬉しいこと言ってくれるね。 もう何年になるかな? オレが初めてそのちゃんの髪のカットをしてから」 「うーん。もう5年とかになるんじゃない?」 「えっ、もうそんなになる? 早いね。 今でも時々思い出すんだけどさ、最初に会った時のそのちゃんすげぇ怖かったー」 美人な分、マジで恐ろしい魔女みたいだった。 「あー、もうそれは言わないでー。 あの時は本当に、ほんとーにごめんって」 そのちゃんが必死に謝るから、なんだかおかしくて笑ってしまった。 「あの時はカットが目的じゃなかったけど。 結果的に、今までにしてもらったカットの中で一番気に入っちゃったんだよねぇ」 そのちゃんが二回目のカットに来てくれた時は、マジで驚いた。 スタッフのみんなもそのちゃんを見て固まってたけど、そのちゃんがオレだけじゃなくみんなに謝罪してくれたから、それ以来すっかり常連さんになったんだ。
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