初恋みたいに恋しよう

「でも、これは結果的に正解だったね。

二人で過ごす時間が増えたのはもちろんだろうけど。

こんな素敵な場所に、お店を建てることが出来たんだもんね」

オレのお店と悠真の事務所、兼自宅を建てることを決めたのは良いけど、まずは土地を探さなきゃ始まらない。

都内には居抜き物件も多くあって、そこを改装したら良いんじゃない？ってオレは提案したんだけど。

悠真が選んだのはなぜか都内じゃなくて、海の見える田舎だった。

「ここは静かで、のんびりしてて良いよ。

土地代も安いしね。

車でちょっと行けば、大型のショッピングモールがあって何でも揃うし。

田舎だけど、何も不自由してないんだ」

こんな場所にポツンと小さなお店を建てて、お客さんが来てくれるのか最初は不安だったけど。

クチコミで少しずつお客さんが増えて、今では小さな子供から上は70代まで、幅広い年齢層の人が来てくれるようになった。