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「それはそうと悠真君、あなた2階で仕事中だったんじゃないの?
ここに何の用事だったの?」
そのちゃんが尋ねた。
「あー、悠真はね。
定期的にオレの顔を見に来るんだよ」
「はぁ~? 何それ?」と、そのちゃんの声が裏返る。
「何って、オレに会いたいからじゃない?」
「ちょっ、一緒に暮らしてるのにそんな頻繁に瑛斗君の顔を見ないと気がすまないの?」
「顔を見るどころか、仕事の合間に部屋に連れ込まれてチューとかされるよ」
オレの言葉に、ギョッと目を見開くそのちゃん。
「悠真君って、そんなに愛の重い人だったのね……。
だから、こんな美容院兼自分の仕事が出来る家を自らデザインして建てて……」
「えー、全然重くないじゃん。
逆にオレ、予約が入ってない時間は悠真の仕事部屋で休んだりしてるよ。
特に話はしないし、仕事の邪魔なんてしないけど。
そばにいるだけで安心するじゃん」
「えー、あなた達ってちょっと異常じゃない?」
「全然異常じゃないよー。営業時間中は絶対エッチしないんだし」
本音はしたいけど、夜まで我慢してる。
「そういうことじゃなーい!」
オレとそのちゃんのやり取りを見ながら、悠真が横でクスクスと笑っている。
まぁ確かに、オレらの仲の良さは異常かもね。
でもお互い大好きだから、どうしようもないや。
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