初恋みたいに恋しよう

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「両親が離婚したのは最悪なことだってずっと思ってた。 でもあれがなかったら、男性を好きになってないかもしれないし。 美容師になっていたかどうかもわからない。 今思えば必要なことだったんだ……」 「俺もそうだよ。 妻に浮気されてひどくショックで。 人生のドン底だって思ってた。 でもあれがなければ、大切な人に出会えなかったんだ……」 「そう思ったら、最悪な出来事って最大のギフトなのかもしれないよな」 全てがそうだとは言えないけど。 後で考えたら、それは必要なことだったってわかる日が来ることもあるんだ。 「ありがとね、悠真」 「ん? 何が?」 オレは足を止めると、悠真を真っ直ぐに見つめた。 「オレに毎日、幸せを与えてくれて……」 子供の頃からずっと寂しがり屋だったオレ。 そんなオレのそばに悠真はいつもいてくれて。 沢山の愛を注いでくれる。 「お礼を言うなら俺の方だよ。 瑛斗のことを守りたいって思うから頑張れるんだ。 瑛斗の存在があるから、俺は生きていく意味を見い出せるんだよ」 「悠真……」 どうしよう。 なんか、すげぇ胸にジーンと来る……。 「悠真、大好き!」 誰も見ていないことをいいことに、オレは悠真にガバッとしがみついた。 「おっと」 ビックリしつつ、すぐに抱きしめてくれる悠真。 ヨシヨシと頭を撫でられた。 あぁ、やっぱりすげー安心するよね。 悠真の腕の中は……。
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