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2023.08.24 BLという名の女性世界
同僚に、美人三姉妹の末っ子というひとがおりました。
彼女も御多分に洩れず、性的犯罪に遭っておりました。
風呂場を覗かれていたんだそうです。
え、そんなの大したことないじゃん、見られただけでしょ? と思われるかもしれませんが、見るとか見ないとかが重要ではないのです。
・そこに至ったまともではない精神性を持った不審者が間近に存在することを自覚し、
・またその不審者が捕まらないかぎり、この先どのような行動を取るかわからず、
・加害が高まる可能性を考慮し、
・先行して対抗手段を講じなければならない、
という点が女性側の恐怖のポイントとなるのです。
これまで散々書き綴ったように、女は力では男にかないません。
しかも、被害を受けてからも、犯人を誘うような態度(見た目、行動)をとっていたからじゃないか、と他者から言われたり、自らそう思い悩んだりする。
ふつうに生活していただけにもかかわらず、加害の理由はおまえにある、と責められたりするからたまったもんではありません。
犯人は近所の男子学生だったそうです。
ふざけんな、ですよね。相手が近所に住んでいるというだけで、ものすごく怖い。
彼女は、会社でも不必要に近づいてくる男性に対し、非常に警戒していました。おそらく、ほかにもいろいろあったのだと思います。
男性には、女性がどれだけ異性を警戒しているか、心底は理解していないし、できないのではないでしょうか。
正直、女性が若ければ若いほど、「所属先不明の初対面の異性=性欲対象かもしれない別次元の異生物」並みに警戒の対象として見ていると言っても過言ではないと思います。
ただ、若すぎる子ども(10代以前)だと人生における経験値がないため、警戒すらできず、相手の行動を好意と勘違いしてしまうことがあります。
親子ほどの歳の離れた恋愛、特に女子が未成年に対しては、全面的に許せない理由はここにあります。このあたりの話は次回におかせてもらいますが。
話を戻します。
上記のように、女性というのは女性『性』に対し、男性から向けられる『性への興味』ありきの生活に、つねに不安と恐れを抱いているんですね。
非常に、
めんどくせぇ!!!
と思ってるんですよ、たぶん大勢が。
もちろん、互いに認め合って信頼しあえる唯一無二の存在と出会えれば、世の中の扱いは大きく変わります。
正常な感覚があれば、たがいに『同性(同僚・隣人・知人・友人)』が手にした『獲物(結婚相手)』を横取りしようとまでは考えない(争ってまで奪いあうメリットと徒労が釣り合わない)ので、伴侶がいると認識されることによって基本的に安全な身となります。
しかし、独身で、つねに異常者につきまとわれる不安に晒されていたら、文字通り心に鋼鉄の鎧をまとうしかなくなります。
やさぐれるんですよ。もう異性のことを考えるのすら、苦痛でしかない。
とにかく面倒だから、女性の性を排除した世界で、対等に、純粋に、恋愛・性愛を楽しみたい、という意向がBLなのだと考えています。
えっとね、正直なところ、わたしはあまりBLが好きでない、というか若い頃はまったく受け付けなかったんですよ。
なんで、男同士で好き好んでツッコんだりツッコまれたりせにゃならんのや、と憤慨する気持ちすらありました。
なんで? どうして?
BL好きの腐女子って、どんだけたくさんいるの??
理由を考えてみました。
・異性から向けられる、性欲の対象となる『女性が感じる気持ち悪さ』を根本的に排除・否定した世界に浸かりたい。
・男性同士という、周囲から理解されないハードルを越えて結ばれる純粋さに憧れる。
・異性間の性差による、圧倒的な筋力・力量差を気にすることのない対等さが良い。
・男同士なら、ヤッても子どもができる心配がないから、遠慮なくエロを愉しめる。
個人的に思いつくのは、このあたりでしょうか。
(現実には命に関わる重大な病気にかかるかもしれないとか、そこまで至るまでの準備とかめっちゃ大変なのをすっ飛ばしてるんですけど)
だから、好むひとがいるんだよね、きっと。と思ってました。
だけど、近年オメガバースという世界観が台頭してるのを知って、うわぁ女性『性』の業……と思ってしまったんですよね。
男が、運命の番となる男の子どもを産める世界、というのが、女性の逃れられない役割を男性側にも背負わせることで表現せざるをえない世の中になったようで、ねぇ……本当に泣けるくらい、定めに抗えないんだなぁと、ただただ胸を衝かれるような思いがします。
まぁ、そんな深くは考えてないよ、とも言われるかもしれないですけど。
世界観がすでにファンタジー(現実では不可能なのに、その世界では可能である創作物)なので、男性同士が女性的な楽しみかたをしても可笑しかねーだろ、という感覚なのかもしれないですけどね。
読者層が男性向けではないのは当たり前なのですが、ゲイで女性感覚に共感されるタイプの方はBLを嗜むようですね。
男同士が疑わずに番となり、自ら子孫を残せるのは、望んでもかなわない夢の世界であったりするからでしょうか。
男性用のエロというのは、子どもを作って相手と一緒になるというところまで描かれるのはそう多くないらしいです。行為で達するところまで描けば終わり。実用性に特化してるとも言えます。
そのせいか妊娠させる行為が終われば、使い捨てるところに興奮を覚えたりする表現があります。
現実的でない激しさで、少女の『性』を破壊するまで表現する加虐性も多々見かけます。ああすれば悦ぶと認識・誤認させ、女をモノとして扱う元凶になっていると論争にもなりがちです。
女性用のエロは、行為が終わっても使い捨てになるのは少ないような印象ですね。基本的に女性は受け身なので、背景にどうしてこうなったかの物語性があり、攻め側の破壊的な行為で受け側が死亡するほどの激しさはまず見かけない……ですね、たぶん。
もしかしたらMっ気のある人に需要はあるのかもしれないけど、自分に重ねたときに引くほどの暴力・暴行を受けたい女性はまれなせいか、好き嫌いに関係なく、(読者が)美しい(と感じる形状の)相手に主人公が執着したり、執着されたりして、行為の責任を取るかたちで、(互いに望むにしろ望まないにしろ)一緒にいることを選ぶものが多いように見受けられます。
うーん、性差ですね。
男性エロを書くのは女性作家が半数、などと聞いたことがあるので、男性向けに合わせてるんでしょうね。
知っているかぎりでは、女性作家さんの男性用エロって、最初は無理矢理でも、最終的には(精神的に)和解する話が割合として多いような……自分が読んだことのあるものがたまたまそうだっただけ、なのか……な?
続きます。
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