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2024.03.14 印刷博物館で、活版印刷体験をしましたよ。
博物館へ行くという課題を大学の授業で出された娘がいろいろ調べて選んだ、印刷博物館。
すんごい興味あるし、どうせならと一緒に行ってきました。
凸版印刷、いえTOPPANと言えば、CMでもお馴染みかと思います。その敷地内に併設された博物館です。
開館は2000年。Wikipediaによると、収蔵品の「駿河版銅活字」が重要文化財だそうです。
飯田橋の駅からすこし離れていて、場所がわかりづらかったので現地まで足を運んで確認をしました。
すっごい綺麗な建物です。会社と隣接してるので、出入りする社員の方々とすれ違います。
予約時間まで時間があるので、周辺の洋食屋まで戻って、まずは腹ごしらえをしました。
チーズハンバーグ定食、950円。(えっ、安くない???)
ひとりで切り盛りしてされていたので、出てくるまでに45分くらいかかりました。
近所の会社に働いている人だったら、お昼休みに間に合わないよね……😅
途中から、店のドアが開いたとたん「いっぱいです」って断ってたな。
娘はナポリタンを頼んで、予想外の大盛りで「満腹すぎる」と困惑してました。🤭
活版印刷体験は予約制で、14時からの回でした。
12時45分くらいに入店して、食事が出てきたのが13時半。
15分ほどで食べ終えて博物館に戻ったら、予約時間ギリギリでした💦
印刷工房は、こんな感じにガラスで区切られてます。
一人の作業机はこんな感じ。
椅子はありません。立ったまま、作業をします。
まずは、12文字のワードを考えます。
基本、使えるのは「ひらがな」です。
漢字は、生年月日・印刷・博物館・活版・記念・誕のみです。
あとは通常で使用する記号、*・?・!・!!・☆・♡、数字。
一本の活字には、触って下辺がわかるように切り欠き(ネッキ)が入っています。文選箱と呼ばれる用具に、拾った活字を並べていきます。
切り欠きを上部に向けて、左から組んでいくと横組みの文が完成します。
文選箱に入れた活字を上から押さえて、高さを揃えます。金属の板で押さえてから、ズレないように回りをしっかりとネジで閉めて固定します。
固定した活字を、印刷機にセットします。
この印刷機は海外製で、個人が趣味でグリーティングカードを作る、などの小さい印刷の用途に販売されているものだそうです。
上部の黒い円盤には、スタッフの方があらかじめ黒インクを塗布してくれています。
黒い円盤に触るとインクで真っ黒になるので、夢中になって覗き込んだりすると、顔につくから突っ込まないように気をつけてください、と言われました。(笑)
手前に引き下げるレバーがあり、レバーを下げるとローラーが上がり、インクを付着させてからローラーが内部へと下り、活字面にインクを塗る構造になっています。
しっかりレバーを引き下げて10秒くらい押さえたままにすると、活字と紙が圧着し合い、インクが紙に載ります。
印刷できました!!!
ひらがなだけだと味気ないのと、漢字を使いたかったので、
「印刷が生活をゆたかにする」(12文字)
と印刷してみました。
デザイン違いの用紙5種に印刷して、お持ち帰りです。
インクは乾くまで一日かかるそうです。
さまざまな文字の活字。
日本語は、ひらがな・カタカナどころか、大量の漢字があるので、英語圏などと違って印刷にするのは本当に大変だったんだろうといまとなっては思います。
当時の本で、活字が引っ繰り返っていたり、一文字空いていたり、間違っていたりというのもたまにありました。
アナログの時代、手作業ならではですね。まぁ、PCでもDTPはオペレーターが手作業で行なっているので、間違ったまま印刷に回ったりして真っ青になるのは……あります💦
入稿する時はすんごい緊張するし、できあがって印刷見るときもドキドキするからなぁ。
PCでの作業となって、印刷までの過程がどれほど楽になったのかしら。
反面、アナログでの職人的な作業が不要となり、どんどん廃業に追い込まれたのが20世紀の終わり頃です。
いまや、印刷業界ですら縮小になりつつありますからね。
紙の本は衰退しつつありますが、一般で流通する商品パッケージなどは無くならないので、印刷自体が消失することはないでしょうけども。
↑上の写真には、手前に引くレバーが写ってますね。
活版印刷機の全体像はこんな感じ。
かつて、新聞の文字拾いが子どものアルバイトだった、なんて話を小学校の本で読んだことがあったので、それの印象が強かったのだけど、ここは凸版印刷ですからね。
これらはおそらく、書籍で使われたものだと思われます。
ついつい新聞のイメージでスタッフさんに話しかけてしまった。恥ずかしい💦
新聞社で使われていた書体と、出版社で使われていた書体は違うものだそうです。
PCになってからはフォントの会社が販売する書体をインストールするようになって、どこも共通となってしまったけど、それまでは各社で持っていた書体があって、文字の印象が違ったんでしょうね。
90年代までは活版も使われてたけど、2000年くらいには印刷業界自体が手作業で文字を張り込んだり、紙焼き(印画紙)の機械を使ったりすることは無くなったような記憶があります。
自分の記憶でも、95年にはデザイン部門はMacで作業してました。
徐々に活字自体が廃れたのもこの時期です。
文化が消えてしまうんですよね……いまやこのような活版印刷の活字や印刷機も廃棄になって消え去りつつあります。
しおりの紙に印刷されている文字、読めますか?
拡大すれば、なんとな〜く見えるかな。
紙に挟まれて、四角が並んでいるんですけど、その微々たる一部が活字になっています。
ルビ用の活字だそうです。
1ミリすら、あるかないかのサイズ。
ちっさい!!!
老眼には、かなり視認がきっついサイズです。(;´д`)
→ 続きます。次は、印刷博物館の紹介をしていきます!
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