27人が本棚に入れています
本棚に追加
入場してすぐ、文字の伝達の歴史が展示されています。
石に楔文字を刻んだり、紙に書いたり、木に刻んだり。
やがて、複製していく知恵や創意工夫で大勢へと広められていくのです。
御嶽山の護符を発見。
多くの人々に手渡されてきた木版刷の文化です。
古代・中世で印刷の歴史に、やはり宗教は関連するんですね。
多くを複製するために、鋳造で金属の型を作って印刷する方法が紹介されていました。
うーん、人間の「広めよう」とする努力、すごいね。
この時期は、鋳造と木版が主流だったようです。
日本では、一度は活版印刷が導入されたのですが、木版刷に戻った時期があったそうです。
そりゃあね……文字数が多すぎて、一個一個組むよりは、版を一枚で作ってしまったほうが早いですもん。
しかも、活版は終わったらバラされてしまうので、原本が残らない。
ところが木版は、原本が残るうえに、その木版自体に価値があるんですよ。
このあたりが日本が独自に選んだ文化なのかなぁ。
計算され尽くされた配色で構成された、多色刷りのレベルの高さに感動します。
写真なんてなかった時代に、フルカラーの印刷。色鮮やかで、とても表現豊かです。
印刷はやがて、文明を広げるツールへと進化します。
知恵や技術を紙に印刷することで、多くに伝える手段となるわけです。
日本の識字率は、世界でも類を見ないそうです。
水も豊かで、紙を作る素材にも困らなかったのも大きいのかな。
人魚……???
「ミイラや人魚の薬物的効能を伝えた蘭学書」だそうです。
「三国通覧図説」、発禁本???
調べてみたら、
『朝鮮、琉球、蝦夷地の3国と小笠原の地図、地理や風俗について解説したもの。
江戸幕府の忌避に触れて板木を没収されて、版元も処罰されている』
だそうです。
「美しい本を追い求めた印刷出版活動」から生まれた究極の美しい本、だそう。
装飾、本当にすごい。ずっと見ていられる……紙面見てるだけで酔えそう。
舞台女優サラ・ベルナールの劇場ポスターですね。
画風を見ればわかる、アルフォンス・ミュシャ(正確な発音は、ムハだと数年前に知った)。
エッチングの手法に近いのかな……版自体が芸術品。
この金属板で印刷ができるのが不思議。
印刷の歴史って、人類のいろいろな努力とたくさんの人に広めたいという欲によって技術が高められてきたんでしょうね。
さまざまな手法があって、いまがある。
見応えがありました。
展示室内び全体はこんな感じ。
ほかにも写真を撮ってきたんだけど、このくらいで。
きれいな展示室に、情報がてんこ盛り。
正直なところ、ものすごく大きい博物館ではないのですが、あまりにも印刷の歴史が詰まりすぎていて、その熱量で最後のほうはだいぶ疲れてしまいました。😅💦
オフセット印刷、グラビア印刷、最近はオンデマンド印刷も増えてますが、このあたりの機械の展示や印刷の違いなどの展示があって、昔夜間のデザイン学校で習った内容で懐かしかったです。
終盤、現代の作家の作品もたくさん拝見できました。
さまざまな印刷手法が並んでいました。それぞれが美しくて、見応えがあります。
すごく楽しかったし、行ってよかったです。
ご興味があれば、ぜひ。
入場料は大人ひとり400円、学生は200円です。安いな。
活版印刷体験は無料ですが、予約が必要です。
終わりです!
最初のコメントを投稿しよう!