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一旦、話を元に戻そう。
約5年婚活をしてきた経過を、ざっと記載してみよう。
まず事務局が発行している月一回発行の雑誌で気になった人がいれば、データ(B4用紙一枚の印刷物)を取り寄せることができる。
週一回にふたり、紹介データを送ってもらうことができる。
マッチングした会員の情報を見て、気に入れば自分のデータを相手に送ってもらう。向こうがOKならば、こちらから電話をかける、という手順。
送られてきたデータを見て、合わなそうだなと思ったら、そのままデータを返信用封筒で送り返して終了。
大体、自分が気に入った相手にデータを送ってもらったとしても、大半は拒否られてしまう。
理想が高すぎると、ここで全部弾いてしまうので、会える人がいなくなってしまう。
逆に、先方が私のデータを見て「会ってみたいから自分のデータを相手に送って」と事務局に連絡すると、こちら(私)に相手のデータが送られてきて、OKなら先方から電話がかかってくる。
電話をかけるのが面倒で嫌だ、という理由もあるのか、こちらからデータを請求してOKを出し、先方からの結果を待ったほうが会える率が高かったかもしれない。
電話をかけたほうが多かった気がする。
居住区が関東圏なので、マッチして紹介される人数はそれなりに多かったと思う。
地方となると登録人数が少なくなるので、相手の希望する年齢指定範囲(10〜20代)を超えると選ばれる対象外となり、会費を支払ってるのに会うところまて進めるのもままならないらしい。
400人くらいは双方のデータ交換の対象となったかな。半分は却下となるので、200人くらい電話で応対したと思う。
ここで必要となるのは、聞くスキル、聞き出すスキルとなる。
どうやっても相手と対話できそうもなければ、こっちが延々と話し続ける場合もあるし、実際に会う段階になると男性にお茶代を出してもらう(マナー的にそう決まっていた)から、女性が配慮に回るのは当前の雰囲気があった。
電話の対応で、おおよその雰囲気がわかる。
絶対無理だな、と思うのが半分。ここで100人に絞られる。
実際に会うと、もっと高度な対人スキルが求められる。
自分の場合、人間観察と取材だと割り切って、ダメもとで会いに行っていた。
野球やスポーツなんてまったく興味がないけど、前日のニュースで情報を仕入れて話題にするくらいの努力はしていた。
話が続かないのは、もんのすごくシンドイから。
実際会ってみると、初見で興味がないんだな、という分かりやすい塩対応をされるのが2割。
話がクソほども盛り上がらない。
お茶を一杯飲んだら、その足でデータを返却するタイプ。
あー、時間無駄にしたけど、すぐ忘れよう、と思える。
2割が相手側が一方的に話しまくって、こちらは聞くだけの空気状態となる。
会社の自慢、仕事の自慢、こちらの態度のダメ出しなどなど、『えーと会社のおっさん上司相手の接待かな?』と思っちゃうタイプ。
とりあえず笑顔で対応して、帰ったらデータを返却してサヨウナラする。
意外と先方は気に入ってくれることが多い(メール連絡してきたりする)けど、こっちは我慢して事務対応してるだけだからね。
このあたりで、やっぱりタバコを吸うタイプはダメだなと感じ、データ上で却下するようになる。
さて、これで対象が60名に減少する。
この半分の男性陣は、ふつうに対応できるし、おそらく結婚できる人物だけど、その相手は自分じゃない、と感じられる相手である。
会っているあいだは、可も不可もない会話をして、そこそこ無難に時間を過ごし、お元気で、と言って別れる。
いい人だけど相手は自分じゃないなと思うこともあるし、相手がそう思ってるだろうな、と感じることもある。
こっちからデータを返却することもあるし、次回の連絡を待っていたのに、先方からデータ返却されたので送ったデータを返却してね、と事務局から催促が来る場合もある。
残り30名。
一回お茶をするだけで終わらず、二、三度会うのを許してくれた人々。
これも大抵、二回、三回と会うとなーんか違うな、と思う人々が3分の2。
仕事が合わない(飲食とか営業とか建築現場とか)、性格が合わない、常識が合わない、テンションが合わない、食事の好みがアカンとか、う〜ん???無理っぽくね???と過ごす時間が増えるごとに、じわじわ伝わってくる感じ。
埋められない溝って言うか……、生きてきた30年を今更自分好みに変えようったって無理なんよ。
30年かかって構築された性格を、こうなってほしい!と矯正しようったってね、同じだけの時間と根気がいるからね。
そんなもん直そう、もしくは目を瞑って我慢しようなんて殊勝なことを考えても絶対に無理なのだ。
元から近い人を選んだほうが、長い長い共生となるのに負担が少なくてすむ。
そのための婚活マッチングなんだもの。
そしてそれを選びすぎると、合うはずの相手すら、ひとりもいなくなるんだけどね。
結果を先に述べると、残りの10名ほどと1ヶ月〜3ヶ月付き合った。
そのなかの2名と婚約まで行って、一名は破談、もう一名が今の夫となった。
続く。
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