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目に針を刺す
ろくでもない体験、わりとたくさんあるんですけど。
そのなかのひとつが、目に針を刺した経験です。
まだ抗生物質があまり効きの良くない時代のお話。
ことのはじめは、夏風邪をこじらせて1ヶ月以上37.5°くらいの熱があったんですよ。
ちょうど高校受験の時期だったもので、症例がだらだら長引いたんですね。
あちこち町医者巡って、なんとか治ったんですけど。
そしたら、なんだか目の調子が悪くなりました。
近くの眼科、開業したてのやつが超ヤブでねぇ。これが、ぜんぜん症例を当ててくれない。
治らないから目は痛いし、毎日我慢できずに両目をこすりまくってたわけです。
その医者、自分の腕を棚に上げて、なんて言ったと思います?
「親御さん、梅毒じゃないですか?」
もうね、アホかと。
こともあろうに、どういう理屈でその病名が出てくるんだっての。
そりゃね、梅毒がひどくなれば目もやられるらしいですけどね。
親が罹ってると子供も罹って症状出ることもあるそうですが。
15年も経って発症するわけねーだろーがよ。
当時はいたいけな中学生でしたから、梅毒なんてものがどんなものか知らんかったですし、何を言われてどういう意味かもわからなかったので、そのまま親にそう伝えたら、そりゃ激怒しますわな。(侮辱かよ)
2ヶ月くらい治らず、親もそろそろ大学病院を、と考えていたところに父親が関西地方に転勤となりました。
引越し先の近所に、わりと大きな総合病院がありまして。
診察にかかったら、即病名判明。
「虹彩炎」でした。
強い紫外線浴びると、虹彩が炎症起こしたりするんですよ。
いまでこそ、目薬数日させば治る病気ですけど、当時は眼球注射で抗生物質を直接注入するのが治療方法でした。
目ってね、針刺せば失明するわけじゃないんですね。
白目に刺すのは大丈夫。黒目に刺さるとヤバイ。
いまならすっごくよく効く麻酔の目薬もありますが、当時は『やらんよりはマシ』な感じでした。
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