目に針を刺す

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眼球に注射を打つとなると、おおごとなんですよね。 そんなにたくさん、同じような症例の患者さんがいるわけじゃないですから。 診察ベッドに乗っけられて、看護婦さん(当時は看護士じゃなかった)ふたりがかりで頭と体を押さえつけられて、医師が白目に注射針を打つんです。 これ、半端なく怖いんですよ。 近づいてくる、注射針。 医師は焦りながら、「ぜったいこっち見ないでください!!!」 恐怖の対象が近づいてくるとですね。 それが激しい恐怖であればあるほど、んですよ!!! 本能的に、どこに恐怖があるか確認せずにいられないんです。 あの感覚は、なかなか味わえないよなぁ。(当たり前) でもってですね、刺さる瞬間に 「目を動かすと失明します!!!」 って、先生が叫ぶんですよね。 でも、無意識に動いちゃったりするんだなぁ。 だって怖いんだもん。まあ注射する先生も失明の責任負ってるから怖いんだけどね。 しかも痛い。 注射打ってるときもそこそこ痛いけど、どっちかっていうと、打ったあとのほうがちくちくちくちく痛い。 こすっちゃいけないからよけいに痛い。 しかも検査で虹彩開いてるから、めっちゃ眩しいし。 そのうえ、この虹彩炎、一度かかるとわりと再発するんですよ。 だから、この恐怖体験、一回じゃ終わらなかったんだよなぁ。 何回やったかしら。5回までは行かなかった気がするけど、関西にいた5年弱のあいだ、紫外線の強い夏場に毎年、虹彩炎起こしてた気がする。 (今は外出時に、必ず偏向レンズのサングラス着用。下手すると冬場でも虹彩炎に罹る) おかげですっかり先端恐怖症になりました。 小物とか売ってる店で、ワイヤーネットに商品引っ掛ける金属棒、ワイヤーフックっていうのかな? があるじゃないですか。 アレがこっち向いてるとめっちゃ不安になるっていうか、怖いんですよ。 あと箸とかシャープペンシルとか、尖ってるものを自分に向けられるのがキライになりました。 この病気のせい(目をこすりすぎた)で、円錐角膜患者の仲間入りをしたので、いまだに根に持ってます。 ヤブ医者には気をつけないといけない、とものすごく身に染みました。 1ヶ月通っても病気が治らなかったら、セカンドオピニオン大事。 ちなみに、注射打ってるあいだに目を動かしてしまうとどうなるか、という体験もございます。 それは、また次回のお話。
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