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雪がしんしんとつもる。
誰かが泣いた分だけ強く。
雪がしんしんとつもる。
誰かが諦めた分だけ重く。
雪がしんしんとつもる。
誰かが苦しんだ分だけ湿り。
雪がしんしんとつもる。
誰かが憎んだ分だけ激しく。
雪がしんしんとつもる。
ねえちゃんのからだに、けがらわしくふりつもる。
贄として雪山の頂に磔にされたねえちゃんは、
長い黒髪も、野良仕事で焼けた肌も、
まっしろにぬりつぶされ、もう見る影もないだろう。
すべての災厄を雪ぐ儀式のため、
身を差し出したねえちゃんが、
隠れて流した涙を僕は見た。
知らないであいつら、のんきに笑ってるんだ。
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