11人が本棚に入れています
本棚に追加
目覚ましが鳴り、朱理は目蓋を開いた。
あれ……?
見慣れた天井が視界に入る。朱理は身体を起こして目覚ましを止めた。
ここ、わたしのベッドだ……
朱理が居るのは自分の部屋にある二段ベッドの上の段。つまり、いつも寝ている自分のベッドだ。
夢、だったの?
いやにハッキリとした夢だった。白猫に導かれ、猫しか居ない町に行く。しかし、最後の方は殆ど覚えていない。
ふと、右手の甲に視線を落とす。そこには何かにで引っ掻いたのような跡が薄らと残っていた。
そうだ、猫に引っかかれて……
しかし、もっとハッキリとした傷だった。たった数時間でこんなに回復するとは思えない。
それに、わたしを助けてくれたのは……
朱理は勢いよく頭を振った。いつまでも夢のことを考えてはいられない、今日も学校はあるのだ。
最初のコメントを投稿しよう!