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四季はヤスとって娘も同然だ。だからヤスの好きにしたらいい。たまには元気な姿を見せてくれればそれでいい。
卯月さんにそう言われたヤスさん。
四季の弾よけをしながら、移動スーパーゆきうさぎ丸の店長をしながら、空いた時間でやくざをする。これが俺の生きる道だ。一生、平のまま。出世は出来ないが後悔はしていない。
ヤスさんの決心は固かった。
だから僕も決めたんだ。卯月さんの身内として彼とともに家族を守り生きていくって。
「未知ファンクラブを舐めんなよ」
「千ちゃんファンクラブもな」
「未知さんのファンクラブなんてあるんですか?」
「姉妹仲良くみんなに愛され可愛がられているからな」
「姉妹でファンクラブがあるなんて羨ましい」
「そのうちヤスが四季のファンクラブを作る」
「え?僕のですか?」
「あぁ、そうだ」
(それはそれで恥ずかしいかも)
「磐越自動車道バス事故で俺も実は親戚を亡くしているんだ。きみが唯一の生存者だと聞いて不思議な縁を感じた。だから、三十年前の事件について調べてくれと甲崎と佐瀬という刑事に頼んだ。時間は掛かるが待っていて欲しい」
「伊澤さんありがとうございます」
下げられるところまで頭を下げた。
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