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「手分けして探しているから心配するな」
「もしですよ、運悪く瀧田と遭遇したら?昴は知らなくても瀧田が昴を知っていたら?」
「落ち着け和真」
弓削さんが彼に声を掛けた。
「八木田とはちょっとした知り合いなんだ。それとなく探りを入れてもらっている」
八木田さんって確かひかりのみこの幹部だ。
「彼女と言いたいことを言い合えるのも小学校からの腐れ縁だからだ。異性だから誤解されやすいんだが、彼女とはなんでもない。俺は姐さん一筋だ」
「もしかして八木田さんって女性なんですか?てっきり男性だと思っていました」
「公にはなってないが前の教祖の隠し子だ。ひかりのみこを私物化し好き勝手に振る舞う海堂とは犬猿の仲でことあるごとにぶつかっている。いつみみたく負けず嫌いで男勝りな性格の女だ。噂をすればなんとやらだ。八木田からメールが来た」
弓削さんがスマホの画面に視線を落とした。
「昴が見付かったみたいだ。迎えに行ってくる」
「俺も行きます」
「和真はここにいろ。おめさんを人質にされたらこっちは手も足も出せない」
弓削さんがにこやかに微笑むと、マリ、佐治行くぞ!鞠家さんと佐治さんに声を掛けて、八木田さんに指定された場所へ向かった。
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