凛ちゃん

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ー海堂も、橋本も、橋本の取り巻きたちも、かなり悪趣味な連中の集まりだからね。良かったよ。チョコを盛られ、まわされる前でー 八木田さんという女性からヤスさんに電話が掛かってきたのはそれから三十分後のことだった。 ー海堂と袂を別ち、新たな宗教団体を立ち上げることにしたの。ヤスさん手伝って欲しいのー 「海堂派の信者を引き留めるため俺を利用するんだろう?違うか?」 八木田さんは黙り込んでしまった。 「八木田、海堂の倅は死んだ。それでいい。俺は菱沼組のヤスだ。昴を助けてくれてありがとう。感謝する。切るぞ」 ーちょっと待ってー 「何だ?」 ー瀧田の息子は、瀧田の愛人が連れ去った。瀧田は大嫌いだが、息子に罪はないー 「のちのちの利益を考え、俺に恩を売る気か?何を企んでいるんだ?」 ー違う。弓削に恩を返したいだけー ぶちっと一方的に電話が切れた。 「ヤスさん、昴さんは無事なんですよね?」 「あぁ、無事だ。心配するな」 不安を一掃するようにヤスさんが優しく微笑んでくれた。
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