チカさんとの出会い

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「事務所に用があって寄ったら円花ちゃんの泣き声が聞こえきて。泣き方がいつもと違うので寄ってみました。お邪魔でしたか?」 「邪魔じゃありません」 顔を横に振った。 「円花ちゃんをお借りしても大丈夫ですか?」 「はい。オムツはさっき交換したばかりです。ミルクも飲んだばかりです」 橘さんが円花を抱き上げてくれて。ベットにそっと下ろすと、オムツが汚れてないか、寒くないか、オムツや肌着が苦しくないか、1つずつ確認したあと、縦に抱っこし背中を擦った。 「顔色もいいですし熱はないようですね。お腹を触っても痛そうにしないので、どこか具合が悪いという訳でもなさそうですね」 「僕が背中を擦ってもなかなかげっぷが出なくて。和真さんだとすぐに出るのに。へたくそなのかな?」 「難しく考えなくてもコツさえ掴めば大丈夫ですよ。最初から出来る人はいません」 「げっぷの名人といったらオヤジと柚原と弓削だ」 「一人忘れてますよ」 「あ、そうだった。鞠家もだった」 「隣にいるんですから一人で悩まず頼ればいいんですよ。立っている者は親でも使えとよく言うでしょう」 ちょうどその時ケプッとげっぷが出て、自分のげっぷの音にびっくりしたのか円花がぴたりと泣き止んだ。
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