チカさんとの出会い

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「副島、カミさんが錯乱して暴れている。早く行ってやれ」 「ヤスさん、その頬の怪我、もしかして……」 「掠り傷だ。どうってことない」 ヤスお兄ちゃんに急かされ、菱沼金融に急ぐお兄ちゃん。あとを追い掛けようとしたら、 「四季はここにいろ」 ヤスお兄ちゃんに通せんぼうをされてしまった。 なんで?って聞こうとしたら、 「なんでって、危ないからに決まってるだろう。四季と凛に何かあったんでは遅い。こういうことは当人同士に任せておけばいいんだ」 僕が何を考えているかヤスお兄ちゃんには手に取るように分かるみたいだった。 「ヤスが副島に焼きもちを妬いているのは毎度のことだ。兄同士仲良くすればいいのにな。円花もそう思うだろう?」 円花を縦に抱っこし、お尻をぽんぽんと撫でながら鞠家さんが姿を見せた。 「姐さんもだけど、四季のまわりにもどういう訳かいい男ばっかり集まってくる。顔では太刀打ち出来ないからヤスはごねているんだよ」 鞠家さんに痛いところをつかれ押し黙ってしまった。
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