結婚式の夜

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「このクレープ、フルーツがいっぱい乗っているから美味しい」 「そう良かった」 「和真さんは食べないの?」 「俺は四季のほうがいいな」 「え?」 言葉の意味が分からずスプーンを咥えたままぽかーんとすると、 「実はまだホテルをキャンセルしていないだ」 「なんで?」 「なんでって初夜だよ」 困ったように苦笑いすると、右手がすっと伸びてきて、左手を掴まれると、スイと持ち上げられ、指先に軽くキスをされた。 「か、和真さん」 ビクッと肩を震わせ、顔を真っ赤にすると、 「お爺ちゃんたち言ってなかった?明日の昼までゆっくりしてきたらいいって。何があっても電話は掛けないって。抱き合って寝れればそれで十分だ。ホテルで結婚式を挙げたカップルが、当日スイートルームに一泊出来るサービスを使わないのは勿体ないだろう?」
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