結婚式の夜

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「お爺ちゃんもお婆ちゃんも母のことになるとなぜか固く口を閉ざしてしまうんだ」 彼に腕枕をしてもらい眠くなるまで色んな話しをした。子どもたちの話しより彼と、彼のお母さんの話しばかりしていた。 「家では母の話しは禁止。それが暗黙の了解だった」 「和真さんのお母さんは一人っ子だったの?」 「兄がいるみたいだけど、事件のあと疎遠になり、今は全然連絡を取り合っていないみたいだ。副島と斎藤と吉村が手分けして探してくれている」 「見つかるといいね」 「そうだな」 思わず欠伸が出てしまい慌てて片手で口を押さえると、 「朝四時から結婚式の準備と円花のお世話でご飯を食べている暇がないくらいバタバタだったからね。四季、疲れているのに俺の我が儘を聞いてくれてありがとう」 くすくすと笑いながらおでこにちゅっと軽くキスをしてくれた。 「和真さん、僕のこそありがとう」 面と向かって言うのが照れくさくて。真っ赤になりながら彼の服をぎゅっと握り締めた。
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