Flying sea ー空飛ぶ海ー

2/8
前へ
/8ページ
次へ
 旧友は、苦虫を噛み潰したような顔をしながら、ため息混じりに言った。 「オレが知りたいよ。朝起きたら寝蔵に落ちてたんだ」 「へえ。お前の寝蔵にねえ」  旧友は住処を転々と移動しているし、彼の言う寝蔵は、一般人には絶対に見つけられないと彼自身が以前、豪語していた。  そんな所に見知らぬ封筒が落ちていたら、そら怖いわな。 「住所が載ってるな──ぱっと見パーティーの招待状っぽいけど、この住所の情報が知りたいってことでOK?」 「いや、オレは行かない」  旧友はそれだけ言うと、さっさと踵を返して帰っていった。  ……なるほど。押し付けられた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加