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(放っておけばいいのに)
好奇心に負けた昼間の自分を、酷く恨んだ。
広間の隅で小さくなっていると、階段上から、一人の初老の男が降りてきた。
「本日お集まりいただいた皆々様!ようこそいらっしゃいました」
どうやら彼が主催者らしい。
主催者は広間を見渡し、豪快に笑った。
「トラブルがないところを見ると、どうやら招待状に記載した注意事項はちゃんと読んでいただけたようだ」
(注意事項?)
カードも封筒も念入りに調べたが、そんなものはどこにも書いてなかった。
「とはいえ、お忘れになる方もいるでしょう。今宵のゲームを存分に楽しむためにも、再度ルールのおさらいをしておきましょう」
要約すると、ルールはこうだ。
1.標的以外を殺してはならない
2.妨害目的以外で標的以外に危害を加えるのは禁止
3.屋敷外で標的を追跡することや、危害を加えるのは禁止
──そして、何が起きても、主催者側は一切の責任を取らない。
(初めてのパーティーがデスゲームパーティーだなんて笑えねえよ……)
俺の気持ちとは裏腹に、主催者の一言で、ゲームは開始された。
「ご健闘を祈ります」
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