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殺し屋たちがいっせいに動き出す……かと思いきや、彼らは意外と静かだった。雰囲気的に、お互いの様子をうかがっているようだった。
そんな中、俺は階段を上り二階へ向かう。
突き刺さるような視線が痛い──けれど、あの中にいるのも耐えられない。
俺はヘタレなのだ。
長い廊下を歩いていると、一室から、ガタガタッという音がした。
一応銃は持っているが、射的の腕前はお世辞にも良いとはいえない。
(逃げた方がいいよな?)
しかし、足が動き出す前に、俺は部屋の中へと引きずり込まれた。
転んだ拍子に、派手に床にキスしてしまった。
唇を袖で拭いながら、周囲を観察する。
(なんだここ…?)
……ランプだけがポツンと置かれた部屋。
ギシ、と床板の鳴る音がし、そちらへ素早く銃口を向けた。
「落ち着いて」
幼い声だった。
ぼんやりとランプに照らされたのは、10歳くらいの白髪の少女だった──。
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