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廊下にいた何人かの殺し屋達が、ギョッとした顔でこちらを見たが構わず走り抜けた。
大広間の階段に戻ってきた。
階段の下には、まだ結構な人数の殺し屋がいた。
「……なあミオ。……鮫だって、空を飛べるとこ見せてやるよ」
「何言って……」
俺はシャンデリアに向かって走り出し──飛んだ。
階段の手すりを、思いきり蹴った。
「うおおおおおおおお‼︎」
シャンデリアの隅を蹴り、そのまま正面の窓ガラスに突っ込んだ。
派手な音と共に、俺たちは屋敷の庭に転がった。
「痛っ……大丈夫か……ミオ……」
「あなたこそ大丈夫なの⁉︎」
「まあ……なんとか……」
やっと、ちゃんとミオの人間臭い顔が見れた気がする。
なんて、浸っている場合じゃない。殺し屋達が、こちらに向かってきている。
ルールでは、屋敷の外では危害を加えてはならないとされていたが──庭はどうだ?……グレーゾーンだ。
たった今突っ込んできた窓ガラスに、銃口を向ける。
──狙うは一点。
シャンデリアを吊るしている金具。
「当たれえええええ‼︎」
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