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「…私、自分が恥ずかしいです」
「なんでだ?」
「だって、当真さんもハネさんも弓野社長も、お客様のことを一番に考えているのに、私は自分とか自分の周りの人のことも大事だからってごちゃ混ぜに考えちゃって…すごく考えが浅いなって思っちゃって…」
「そんなことはない。それはお前が真剣に考えて出した答えなんだろ?今朝、あのクソレディーに啖呵切ってたお前の答え、俺は悪くないと思った。お前が出した答えなら、誰がなんと言おうとそれがお前の正解なんだよ」
私は顔を上げて、当真さんを見た。当真さんはジッと私を見ていた。切れ長で鋭い視線の中に、優花さんやあの男の子を見つめていた時の優しい色が光っている。私は目を逸らすことができなくて、まじまじと当真さんの顔を見てしまった。
高い鼻とシュッとした鼻筋、アラフォーとは思えないほど綺麗な肌、細長くて濃い精悍な眉毛、意外なほど長いまつ毛。
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