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しかし彼は短くため息を吐くと、私に背中を向けた。
「辞めちまえ。迷惑だ」
「…な!」
反論しようとしたのに、先程の眼光が頭をよぎり言葉が詰まってしまった。彼はそんな私のことを意にも介さずさっさと斎場を出て行ってしまった。相変わらず、いつも通りの大股早歩きで。
急に静まり返った廊下は、空調の乾いた音だけがごうごうと鳴り響いていた。
悔しい。悔しい、悔しい、悔しい。
どうして?私はこんなに頑張ってるのに、なんであんなヤツにそんな事言われなくちゃいけないのよ…!
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