4 『誰』のため?

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「おはようございます〜種村さん」 入口から聞こえた間延びした声にハッと我に返る。西中さんがニヤニヤと笑いながら私を見ていた。昨日と同じ、悪意に満ちた笑顔だった。西中さんは私に歩み寄ると、中腰に屈んで私に耳打ちをした。 「昨日は大丈夫だった〜?今日は無視すんなよ?ちょっと若くて可愛いからって、あんまり調子乗ってるとマジで潰すよ、お前」 西中さんは、今までの猫なで声ではなく、低くドスの効いた声でささやいた。彼女の口から、タバコとコーヒーの強烈な匂いがする。西中さんはジッと私を睨みつけたまま動かずにいた。 これがこの人の本心だった。私が気に入らないから、私に嫌がらせをした。そして、大切なお葬式をブチ壊しにしようとした。 …だったら、私のやるべきことは一つしかない。 私はゆっくりと立ち上がり、西中さんに相対した。
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