4 『誰』のため?

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「…あの、当真さん、さっき…」 「おい、ボケナス」 「は、はい」 「お前もぼんやりしてんな。遺族迎える準備するぞ。付いてこい」 「…はい!」 真っ白い落合斎場の壁がいつもより輝いて見える。大股早歩きする当真さんのうしろを付いていくのは大変だったけど、わたしの前を歩く当真さんの背中が、すごく大きく見えた。 当真さんは、『誰』のためにお葬式をするんだろう? そのことがやけに気になって仕方がなかった。
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