410号室

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 そして、契約のために店舗に戻って、私は契約書にサインをして、契約金と初回の家賃を払った。 「ニコ! もっかいだけ言うよ! やめときな!」 そう言われたんだけど。 でも、これ以上はルリちゃんにも迷惑はかけられない。 でも、これだけは聞いておこう。 「店員さん、なんかあったんですよね? あのマンションで。 だって、あの建物の見た目だけじゃなくて、店員さんはなんかめちゃ怖がってましたものね?」 店員さんは、最初は言葉にまごついていたものの、ルリちゃんが 「あの広さなのに、値段設定も不自然ですよね。」 そう言ったことで、ようやく言いにくいことを口にしてくれた。 「実は…。」 そう言って、話してくれたことなんだけど、あの五階にはあかずの扉があって、不自然な事が起こるそうだ。 例えば、ブラシで何かをなぞる音。 うろうろする足音。 特に、鍵に反応する何かがある。 と言うことらしい。
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