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そうして、
「出直してきます…。」
と言ったんだけど。
そこで店員さんは慌てて、
「お客さん…
ほんとあんまりお勧めは出来ないのですけど…。」
そう言って店員さんがパソコンで見せてくれたのは…。
私の通う大学まで、自転車ですぐの所にある築四十年のマンションだった。
間取りは、四畳半と六畳の広さのあるフローリング、ユニットバスで、水道代込みの家賃は格安の三万円！
しかも！
楽器演奏は十時から二十一時までOK！
これはアリなんじゃないでしょうか～。
と思っていたところに、ルリさんは、
『ニコ、これヤバ物件なんじゃない？
やめといた方が…。』
そう言って、私の顔を怪訝そうに覗き込んだ。
画像の間取りを見る限り、古くさいイメージはある。
だけど、住むところと日々の練習のための空間は必須なわけで・・。
「ま、まぁ、ムリにお勧めはしません。
これ以上の低価格な物件は私どもでは扱ってはおりませんが、あくまでも参考にと思いまして…。」
なんだろう。店員さんのこの歯切れの悪さは。
「も、もし良ければ、物件の見学をされますか？」
てか、店員さん、気のせいかなんかビビってる？
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