09.お嬢様の選択

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09.お嬢様の選択

華花のばあさんが死んだ───。 連絡が来たのは華花と施設に行った2日後で、朝 母ちゃんから聞かされた。 「田渕さんちのおばあちゃん、亡くなったんですって」 「…………あ、そう」 「周さんから連絡があってね、もともと心臓があまりよくなかったみたいよー。寒いとこういう事、多いわよねぇ。うちのおばあちゃんの時もそうだったし。あ、施設に入ってたって、あんたも言ってくれればいーのに」 「…………」 「職員さんが朝 お部屋に行った時、すでに意識が無かったみたいなのよ。そこから救急車呼んだって。でも、随分と穏やかな顔してたって周さんが言ってたんだけどー」 「…………ふーん」 「明日、お通夜あるからあんた行ってきたら?璃香子ちゃんと。髪は黒くしてってね、おばあちゃんの時みたいに、シューって。私は告別式の方に出るから。場所は───、」 スマホの画面に視線を落とす。 華花からのメッセージは2日前で止まっていた。そうか。やけに静かなのは、それどころじゃないからか。 俺は2回しか会ってねーけど。ばあさんもあんな元気そうだったのに、本当に人の死ってのは急だし呆気ねーよな。
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