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「……ふーん」
そらそーだわな。
華花に昔違う好きな奴がいても、当たり前だよな。俺だって、璃香子が好きだったわけだし。
「ふふ、華花ちゃんが好きなのかしら?」
「あぁ?」
「泰良!そこは、"はい、好きです!"でしょう?」
「バーカ、言うわけねーだろ?」
「人に馬鹿って言う方が馬鹿なのよ!もう、泰良の馬鹿っ!」
頬を膨らませながら、華花がケーキを口に入れる。「美味しいわね!」なんて、ばあさんに声かけて、あどけない笑顔を見せる。
「あー………はいはい、華花ちゃんが大好きですよー。あ、ここクリームついてんぞ」
「…………っ!?」
華花の口元についた生クリームを拭い取ると、コイツの熱がボッと上がるのが目に見えて分かった。
大きな瞳を見開いて、恥ずかしそうに俯く華花。
「ふはっ。お前、顔 赤すぎるって!」
「だ、だって泰良が……」
「お前が言えっつったんじゃん」
駄々漏れのコイツの気持ちに、応えてやるつもりなんてない。
俺はいつまでこの茶番につき合うつもりなのか、自分でも分かんねーけど。
きっと、華花もそのうち次に好きな奴ができて、俺から離れてくんだろうな。
「ふふ、華。いい彼氏が出来て安心したわ」
「…………おばあさま?」
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