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零話 後編
ピピピピッピピピピッ。
目覚ましの音で目を覚ました。
僕は目覚ましをとめてから朝ご飯の用意を始める。
目玉焼きとソーセージを作り、コーヒーを入れた。
ご飯を食べ終えて、僕は出かける支度をする。
玄関を出て車に乗り、葬式会場に向かった。
十年前のテロ事件から二ヶ月後。
あの事件からしばらくした後ニュースが目に映った。
「○○高校のテロ事件犯人逮捕!」
僕は衝撃を受けた。
あの事件から二ヶ月、関連するニュースをまったくと言って良いほど聞かなかったがやっとと逮捕のニュースを聞けて安堵した。
続けて聞いていると犯人は先日、ボロボロの格好で警察署の前に現れたらしい。
それを近くにいた警察官が確認し、そのまま連行されたと伝えられた。
でもなぜ今になって犯人は自首しに行ったのだろうか。
僕は不思議になり、父の弟の警察官の穂満隆「ほみつたかし」さんに電話することにした。
かけてから少しして、隆さんが出て僕は、今日ニュースで見たことを話した。
「あ~ああの事件か、、、あれだったら俺の管轄だからよく知っているが何か知りたいことでもあるのか?。」
僕は、今朝ニュースで見た犯人自首についてたずねた。
「今日のニュースのことか、、、まあ徹くんには犯人の情報提供してもらってたから教えよう」
と言うと落ち着いた声で話し始めた。
「あれは二週間ほど前の昼過ぎ、警備員が休憩にはいり一人だけだった時にとてもくたびれた様子の男が近づいてきて話しかけてきた」
「私がやりました、私が犯人です。」
「警備員はいきなり言われたもんだから、驚いたそうだが顔をしたが男の顔を見ると聞いていたテロ事件の犯人と一致していたんだ。」
「まあそこからと言うもの犯人は拘束され身元確定するまでは時間がかからなかった。」
「だがこのことが俺に伝わったのがおとといの事だ、身元は、事件のあとすぐに調べられて分かっているはずだが、一致させるのに二週間かかっているのはどうもおかしいとは思わないか?。」
たしかに隆さんの言っていることが本当だとすれば自首してから十日以上も情報特定に時間がかかっていたことになる。
「あとは俺が調べておくから徹くんはあまり深く関わるのはもうやめた方が良い、今回の事件は、被害者も被害者だから関わっている人間も上層部のやつばかりだ。」
「悔しいとは思うが、もう調べるのはもうやめておけ。」
電話を切り、俺は一息つく。
「まだ計画遂行のためには時間が必要だ、それまでは徹くんは、関わっちゃいけない。」
そうつぶやくと隆さんは外に出て何処かへむかっていった。
僕はモヤモヤした気持ちのまますごしていた。 それからというもの何もできない悔しさを募らせながら、関連するニュースが届くのを待ち続けた。
二日たちテレビを見ていると一報がはいる。
「髙山清佳が死んだ。」
ガシャン
僕は膝から崩れおちた。
どこかでもういないんじゃないかと思っていた、だけど今日まで信じてこれたのは何も証拠がなかったり彩乃と洋介が僕を励ましてくれていたからだ。
もうだめだ。
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