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「橋を渡ったら、交番前のコンビニでジュースを買おう。いつもみたいにさ」
勇太の背にしんみりとした要の声が追いかけてきた。やめろよ、泣いちまうだろ。勇太はマスクの下で鼻をすすった。
カラフルなペンで印をしてある街の名所……あくまで二人にとってだが、一つ一つの場所が鮮明な記憶を呼び覚ます。
スポーツ広場、通学路の文具店、朱色の剥げた鳥居のある神社。
「懐かしいね」「楽しかったな」、そう言葉を交わしつつも、少し離れて歩くのはソーシャルディスタンスのせいだけでないだろう。
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