足長おじさんからのプレゼント

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「……あ」 ふと、私は窓の外を見た。 凝視……。 「お、雪か」 匠さんも私につられて窓の外をみた。 「やけに寒いはずだ」 深々と降る雪をみて大輔さんは言う。 「これ積もるやつ?」 匠さんは大輔さんに尋ねた。 「じゃね? ぼた雪っぽいしな」 じっと雪を見て大輔さんは答えた。 「………………」 私は無言で雪を見ている。 綺麗とか寒そうとか……。 そんな感情、一切わかない。 あるのは……。 恐怖……。 孤独……。 辛み……。 負の感情だけ。 「ちづるちゃん、無理しなくていいならな」 そう言って匠さんは私の頭に優しく手を置いた。 「ありがとう、匠さん。 私は大丈夫。 ずっと逃げててもダメだもの。 そろそろ、ガッコ行ってくるね」 優しい匠さんに私は笑顔を向けた。 ……今の私、ちゃんと笑えてる?
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