もう少しそのままで……。

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「ちづるは昔の俺に見えた。 放任主義の両親に育てられて、俺は寂しい思いをしていた。 隣に住んでいたお姉さんがいつも俺の面倒を見てくれていた。 俺はお姉さんに助けてもらった。 だから……。 だから今度は俺が助ける番だと思ったんだ」 大輔さんは私を見ている。 大輔さんも寂しい幼少期を過ごしていたのね。 でも全くそんなことを感じさせない大輔さんは凄いと思う。 「何で私をここに?」 そうよね。 どこの馬の骨かわからないやつをわざわざ拾うなんて……。 「そのお姉さんがこの施設の施設長の娘さんだったんだ。 それに、親友の匠がいるここなら大丈夫って思ったんだよ。 匠ならこの子を守ってくれるってな」 そう言って匠さんを見る大輔さん。 大輔さんは匠さんの事、大切な親友だと思っているんだね。 でなければ、こんな大胆なことしないものね。
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