2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちづるは昔の俺に見えた。
放任主義の両親に育てられて、俺は寂しい思いをしていた。
隣に住んでいたお姉さんがいつも俺の面倒を見てくれていた。
俺はお姉さんに助けてもらった。
だから……。
だから今度は俺が助ける番だと思ったんだ」
大輔さんは私を見ている。
大輔さんも寂しい幼少期を過ごしていたのね。
でも全くそんなことを感じさせない大輔さんは凄いと思う。
「何で私をここに?」
そうよね。
どこの馬の骨かわからないやつをわざわざ拾うなんて……。
「そのお姉さんがこの施設の施設長の娘さんだったんだ。
それに、親友の匠がいるここなら大丈夫って思ったんだよ。
匠ならこの子を守ってくれるってな」
そう言って匠さんを見る大輔さん。
大輔さんは匠さんの事、大切な親友だと思っているんだね。
でなければ、こんな大胆なことしないものね。
最初のコメントを投稿しよう!