もう少しそのままで……。

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「じゃあ、大輔さんは? 大輔さんは私の事どう思ってるの?」 うわっ。 この質問、面倒臭いやつだ。 何やってるのよ、私。 「……妹」 簡潔に答えてくれた大輔さん。 「……そっか。 そうだよね!」 何期待してるのよ、馬鹿じゃん私……。 「以上に愛しくて守りたい存在」 大輔さんは言葉を続けた。 え……?! それって……。 「これ……」 ハッとして私は鞄からあるものを取り出した。 「俺のマフラー。 まだ持ってたのか」 マフラーを見て大輔さんは驚いている。 そう……。 昔大輔さんがそっとかけてくれた大事な大事なマフラー……。 「王子様がくれた宝物だから」 私はこの王子様のお姫様になりたかった……。 今もそうだよ……。 「……恥ずかしいな。 まさか、そう思ってたなんて」 大輔さんはマフラーを見て顔を赤らめている。 「あの公園に行ったら……何か吹っ切れるって思ったのよ。 ばかね……」 そう。 きっと吹っ切れる。 何もかも……。 そう思った。 でも浅はかだった。 結局みんなに迷惑かけちゃったんだもの……。
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