もう少しそのままで……。

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「いや、フツーだし」 きょとんとした顔で大輔さんは言う。 大輔さんは分け隔てなく人を見れる人。 この人なら……大輔さんなら信頼できると心底思った。 「ははっ! やっぱりお前サイコーだな!」 大輔さんの背中を叩きながら匠さんは笑う。 「いてて! 叩きすぎだ!」 背中をのけ反らせる大輔さん。 「ふふ」 私は自然と笑みがこぼれた。 「何笑ってるんだ?」 私を見て大輔さんは首を傾げた。 「何でもないよ、足長おじさん!」 そう言って私は大輔さんと匠さんの腕を掴んだ。 大輔さんと匠さんは顔を見合って照れ臭そうに笑っている。 こうやって、みんなで笑いあうって最高だと心底思った。 降り積もる雪も悪くないかも……って少しだけ思えた。 私は「あの人」に恋をした。 私は「あの人」が誰か知った。 そして私は「あの人」を思い続ける。 いつか思いを伝える日まで……。
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