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お参りを済ませたあとは、拝観料を払って松風苑を見学することにした。松風苑は重森三玲の設計で、上古の庭、曲水の庭、蓬莱の庭という三つの庭から構成されている。京都に来て2年と少し、いろいろな場所を巡るうちに、わたしにも少し知識がついた。重森三玲といえば、東福寺の八相の庭や光明院の波心の庭も造った、昭和を代表する作庭家だ。いくつも置かれた大岩が、どことなくモダンな雰囲気を醸し出している。
京都に来てから、一言で庭と言っても場所によってまったく違うことを知った。詳しいことはよく分からないけれど、こうして庭を眺めていると心が落ち着く。「すき」の始まりはそんなものかもしれない。どこがどう、というのは分からなくても、なんとなく、いいなぁ、と思う。
庭の見学を終え、お酒の資料館で撮影した写真を確認してみた。山吹の華やかさも松風苑の美しさもばっちり撮れている。今回は、動画も少し撮ってみた。風に揺れる葉の音や鳥の鳴き声など、写真に写らないことも記録されているけれど、人の話し声も入ってしまっている。ただの記録用ならいいかもしれないが、やはり何か物足りない。テレビのようにはうまく撮れないし、本格的に動画を始めたら、編集作業も大変だろう。そうではなくて、ただ10年後も20年後も、今日のことを覚えていたい。今日見た景色を、感じたことを、もっと人に伝えたい。そのためには、一体どうしたらいいのか。
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