別れのクッキー

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そう、私には既に付き合っている男性がいた。 警察の眼を欺くのに、カモフラージュする人間が必要だったのだ。 しかも幹貴や大学とは一切関係のないバイト先の一つ年下の男性だった。 休憩時間はいつもスイーツを食べながら本ばっか読んでいた彼に私は声をかけた。 誰でもよかった。 私がシロだと判明できればそれでいいのだから。 当然警察は裏付け捜査の為、彼にも眼を向けるだろう。 しかし彼は「会ったことすらないし、彼女もキッパリと別れたと言っていた」と答える。 そうなれば、警察は私を容疑者リストから削除する。 たとえ残っていたとしても、マークされる心配はない。 何故なら幹貴の今カノだった梓沙のロッカーの中に予め、仕込んでおいたのだ。 凶器のナイフと毒入りの小瓶を……… 梓沙は任意で事情聴取された。 だが、ロッカーの中を捜索し、決定的な証拠が見つかった瞬間、そのまま逮捕された。 こうして事件は終わり、一年が過ぎようとしていた。
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