別れのクッキー

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ふん………馬鹿な男ね。 これが演技だとも知らずに盛りのついた犬みたいに興奮しちゃって…… 私は床に仰向けになっている幹貴を見下すように呟いた。 身体にはナイフで斬られた跡が残されており、そこからゆっくりと血が流れ出ていた。 厳密にはまだ生きている。 だけど、それもあと僅か……… 出血多量で息を引き取るだろう。 私が盛った毒で身体は麻痺し、声も出ない。 最も電気はつけていないし、校舎から離れた場所に部室があるので守衛が来るのは2時間に1回だけ。 朝まで発見される事はない。 部室を出る前、最後に幹貴の顔を拝む事にした。 奴は眼を開け、無表情のまま一筋の涙を流していた。 死への恐怖からかそれとも後悔の涙か…… いずれにしろ、私はその顔を見てとてつもない高揚感に満たされた。
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