降雪ノーツ

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 鼓膜に流れ込んでくる、清らかな前奏のメロディ。  シャンッ シャンッ   と降ってくるノーツを画面越しに叩けば、原曲のメロディとは別に鳴り響く音――それはまるで、雪が砕け散るような音のようにも思えて。  一呼吸置いて、ようやく“彼”の歌声がやって来る。  全体の雰囲気を壊すことなく、声は詞を歌い上げて――1つの歌に、そして1つの清らかな物語を形成していく。  雪の深い、ある国に住む恋人。2人は結婚の約束をしていたがライバルの誘惑に負け、裏切りの形で破局してしまう――そんな物語を切なく、悲しく歌い上げているのが、今流れている曲だ。
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