小さな恋人 For Happy Valentine’s Day

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 僕は一人暮らしを愛している。  過去に何度か、誰かを好きになったことはある。  けれど、一人暮らしをやめてまで二人でいたいと思うほど好きになった人はいない。  僕の思考回路は睡眠時間を除き、とある方向性に向かいスクリューを回し続けている。  どんな方向性か。  ひとことで言えば、アートのカケラ、飛べない鳥たちが、羽ばたける空の創造。  意味のない美しさが無限の意味を持ち羽ばたき始める概念の創出。  何となくわかる、何となく素敵だ、という半ば盲目的な恋愛は長続きしない。  美しく、珍しく、心から抱きしめたい魅力に富んだ何かが存在しているとして。  それらを後世に遺すべき! という客観的な価値を獲得するためには、それに見合う論理的な概念が必要だ。  一時的に愛されても忘れられてしまう流行の波に乗せることなら・・  既知に富んだアイデアや風を読むセンスがあれば可能かも知れない。  けれど僕は、目の前にある『飛べない鳥』を何百年先まで飛ばしてやりたい。  同時に、世界中に存在する美しいカケラ、これから先も生まれ続ける『飛べない鳥』たちの全てに、自由に羽ばたける翼を与えたい。  そんな思いで、何を見ても切なく愛おしく、また情けなく、僕という限られた時間の中で、僕にできる思考と行動の新たなる発掘に忙しいため・・  僕は僕以外の命に関わる余裕を持ち得なかったのだ。
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