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物語1 近隣の人々
「すみません。探偵の者です。」
「あら?探偵さん。何がありました?」
「森の奥の良子さんの話を伺いたくて。」
「そうなの?亡くなったって。」
「ええ、事故で。」
「なんか、タンスの下敷きになったんだって?噂で聞いたわよ。あの人はそういうことしないタイプだと思ったのに。」
「と、言いますと?」
「地震とかにしっかり備えているのよ。非常袋とか。」
「それは凄い。」
「森から来るときも笛をいつも持ってたわ。転んでもいいようにって。」
「因みに良子さんはいつもここまで?」
「ええ、15時頃に。」
「みなさんとはどんな話を?」
「何でもかんでも。回覧板を回すついで何も。政治家の話から、通院している病院の先生の話まで。」
「何か、気になる話はありました?」
「いいえ、何も。最後に会った日も元気に一人で帰っていきましたよ。」
「いつも一人で?」
「ええ。」
「ありがとうございました。」
コンシーダーは目を閉じて話を繋いでいく。
「…なるほどな…。
この物語。解けた!」
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