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「…はぁ…。」
静かな街並み。周りは森で人が寄り付くような所ではない。そこで肩を落として歩く女性の姿。その手には「催促状」と書かれた紙が。
「…これから…今度はお葬式も…。」
女性の森を抜けても顔が上がらない。
そんなとき淡い黄色い光が彼女を誘う。
「…こんな時間に?…何かしら?」
見慣れない光に誘われる。白い真四角な建物に正面はガラス張りの建物が。
「…図書館?」
建物から見えるのは壁一面の本だ。
入り口には看板に目をやると、
『コンシーダー探偵事務所
なんでもご相談して下さい。
相談料は「依頼の物語」によります』
女性の顔は不信感でいっぱいだ。しかし視線を手元の催促状へ。
少しばかりの希望を胸に中に誘われる様に入る。
扉を開けると、カランコロンと高い鐘の音が建物に響き渡る。
中はガラス張りの一面以外の三面がビッシリ本が並んでいる。床にも平積みした本がたくさんだ。
「ごめんくださーい。」
女性の声だけが響く。
「はい。いらっしゃさいませ!」
「!?」
声は上の方からする。大量の本が並ぶ本棚の中に、本に座る笑顔の男性が。
青いスーツを身にまとい、金の髪と笑顔が実に印象的だ。
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