物語1 牛乳配達員

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物語1 牛乳配達員

「牛乳配達員の的場(まとば)です。」  「すみませんね。こんな探偵の話に付き合ってもらって。」 「いいえ、正直、良子さんが亡くなったのは驚きましたし、淋しいです。」 「随分とお若い。しかし配達が早いとこんな山までの配達大変でしょう?」 「ええ、もちろん。ですが、毎朝ちゃんと迎えてくれるので。」   「それで2日も出てこなくて気づいたんですね。」 「ええ、でも事故とは思いませんでした。何かの理由で病院に行ったりと不在だっただけだと。でも良子さんの娘、息子さんからは連絡を貰うように言われてたので。」 「病院ですか…。病気はご存知だったんですか?」 「ええ。先端恐怖症ですよね?」  「あら?」 「僕は最初知らなくて。ある日傘を 指して行ったらひどく怒られました。傘の先が怖くて立てないって。」  「…因みに他に病気は?」  「いいえ、聞いていませんよ。」 「因みにお家の中に入ったこととかは?」  「ありますよ。お茶菓子とかたくさんくれるので何度も。」 「そうなんですね…。」
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