あったはずの未来

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2011年11月、当時の僕は34歳、SF作家になろうとしていた 藤子・F・不二雄に憧れ、あんな作家になりたいと思っていたからだ そのためにジュール・ヴェルヌなどのSF小説を読もうとしていた ところがその直後の12月4日に祖母が急死 父がいい加減な介護をしていたのが原因だった 祖母が好きだった僕は父を恨んだ だがそんな父の介護をしないといけない現実があった 不信感を持った父と2人で生活しないといけない現実に僕の心は押しつぶされそうだった 苦しさをまぎらわすために僕は酒を飲みまくった 酔ってしまって父への憎しみをごまかそうとした こんな未来は来てほしくなった 昼夜問わずに酒を飲み続ける日々 本当なら藤子・F・不二雄に憧れSFに壮大な夢をたくし甘い憧れに酔っているはずだった 祖母の死のことは父だけが原因じゃなく僕も父の適当な介護を容認していたのも良くなかった もし祖母を守るためにもっと父とぶつかっていたらこの悲劇は避けられただろう 本当ならあったはずの未来は2度と帰ってこない
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