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解散
神人のことは友達だって思ってたから楽しくできたのに。
俺はあいつが好きだった。あいつもあの日までは俺を友達として好きだった。
お前が俺に恋愛感情抱いちゃ、おしまいじゃん。
だけど俺があいつに好きだと言ったから、あいつが嫌がることをしてしまったから、俺はあいつに嫌われた。
お前、変だもん。
だから海と俺も、もうすぐ終わるのだろう。何故なら俺が普通だと思うことを、彼は変だと思っている。
男が男を愛すること、同性同士で腕を組み街中を歩くこと、男同士が公の場でキスをすること。
俺にとっての『普通』は彼にとっての『あり得ない』で、俺にとっての『正常』は『異常』、『当然』は『特殊』だ。
俺が海の大好物を本能的に毛嫌いしてしまうのと一緒で、この部分は決して交わることはない。歩み寄るとか譲り合うとか、そういった枠から何歩もはみ出た話。
もう一生、折り合いのつかない話なんだ。
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